自分の子供がすぐに嘘をつくため、本当のことを言ってるときでさえ疑ってしまい、関係が難しくなって悩んでいる方も多いようです。

そんな自分の子がこのまま成長して嘘つきの大人になったらと心配かも知れませんが、その問題を解決するためには、まずすぐ嘘をつく子供の心理的な特徴を知り、その上でどのように対処をしたら良いのかを考えるのが大切です。

ここでは、すぐ嘘をつく子供の心理的な特徴と対応法についてにまとめましたので、悩んでいらっしゃる方はぜひご参考ください。

 

嘘をつく子供の心理的な特徴

まず親に嘘をつく子供の根底には、親から叱られたくないという心理があります。

親から叱られることをとにかく恐れていて、自分を守りたい。そのために一番手っ取り早い手段が、その子供にとっては嘘をつくことなのです。

他の子供であれば別の方法で叱られないようにするかも知れませんし、嘘をつくくらいなら叱られようと思う子もいるでしょうし、どうせバレてバレたらもっと叱られると思って嘘をつかない子もいます。

つまり、嘘をつく子供は、叱られることよりも嘘によって相手を欺くことの罪悪感であったり、あとでバレるリスクを抱える方がまだマシという判断をしているのです。

また、そこまで考えずに恐怖で反射的に、防衛本能のように嘘をついている場合もあります。

明らかにすぐバレるようなわかり切った嘘をつくときは、多くの場合はその背景に恐怖がある(そうでない場合は癖になっているか人を馬鹿にしている)ということを頭に入れておいてください。

 

子供が極端な嘘をつく心理

嘘は大人でも普通に付きますが、子供の方が嘘つきなイメージがあるのは何故かと言えば、それは子供は社会経験がないために、その嘘が極端過ぎるからです。

明らかにすぐわかる嘘を付いて自分のした行動をごまかそうとしたり、また人を悪者にして責任逃れをしようとしまうのは、子供ならではの行動です。

いくら恐怖が大きくても、大人の場合はあとでより大きな問題になるのがわかっているので、すぐバレるような嘘はつきません。つまり大人の嘘つきはそれがもっと巧妙なのです。

反面、子供の場合はあまりにあからさまではっきりわかるので、余計馬鹿にされてるように感じるし、腹も立ってきます。

しかし、ここで腹が立ったからと言って叱り付けたら、もっと明らかな嘘をつくようになります。

そしてそれが子供には傷として残ってしまうし、ますます人から責められることを恐れる子になってしまいます。

ですから、完全に悪循環なのです。

 

子供の嘘つきを直す対応法

子供が嘘を付くことを直すのは、決して簡単なことではありません。

それまでの子供に対しての接し方が大きく影響しているからです。

まず、人を馬鹿にして嘘を付いている場合は、その子供の人格的な問題か舐められてしまっていること自体に原因があるので、ここでは省きます。

いずれにせよ、いきなりは直らなくても少しずつは直っていきます。

特に思春期までにどう接するかが一番重要になってくるので、まだ幼いのであれば手遅れということは全くないです。

ただし気を付けてほしいのは、ただ嘘つきを直せば良いというわけでないということです。

嘘を付かない子になれば良いかと言えば、もちろんそんなことはありません。

嘘も方便というように、ときに嘘はむしろ人を喜ばせたり人を傷つけるのを避けたりすることがあります。

嘘によって誰にも迷惑を掛けず、自分も危機を回避できることがあります。

大事なのは、その分別を付けれる人間になることです。

 

「絶対に駄目」という言い方をしない

そこでまず重要なのは、これは子育て全般にも通じてくるのですが、子供に対して「こういうのは絶対にダメなんだ」と恐怖を植え付けないことです。

例えば、「良い成績を取らないと将来大変なことになる」とか、「こんなこと(いたずら等)をする奴は生きてる価値もない」とか。

そんな子育てをすれば、子供は「絶対にこうあってはならない」という意識を自分の心の中に抱えながら先の人生を生きていくことになります。

つまり、常に何らかの恐怖に追われ続ける人生です。

条件反射的に嘘をついてしまう子供も、叱られる(人から悪く見られる)ことに対して極端に恐れているのが原因です。

 

そのため、「なんで嘘を付くの!?」と徹底的に怒鳴り付ければ嘘を付かない子供に育てることができるかも知れませんが、その場合は「良い嘘」であっても、嘘自体が全く付けない子になってしまいます。

嘘を付くことに対しての恐怖心からです。

嘘をやむを得ず付いてしまった場合ですら、非常に強い自己嫌悪を感じることになります。

これは言い換えれば、精神的に脆い人間ということです。

この根底にある心理は、

「絶対にこうあってはならない」

なので、他のことでも思い込んで、例えば、離婚しただけでもう生きていけないと感じたり、出世街道から外れたらもう自分は終わりだと思ったりしてしまいます。

 

精神的に強い人は、多額の借金を背負っても終わりだと思いませんし、難病に掛かっても最後まで立ち向かい続けます。

そしてそういった精神的な強さ・弱さが大きく培われるのは思春期の時期なのです。

もちろんその後であっても本人の生き方次第で培うことはできますが、思春期に出来上がった精神的な感性を変えるのは相当大きな努力と意志を必要とします。

そして、精神的に脆弱であれば、間違いなくその後の人生でより大きな苦労をすることになります。

ですから、自分の子供がまだ子供のうちに人生を逞しく生きるための精神の土台を造る手助けをしてあげることは、親としての務めですよね。

 

親が見本を見せる

そしてもう一つ非常に大切なのは、当たり前ですが親が見本として見せることです。

親自身が嘘つきだったり、あるいはちょっとしたことですぐイライラしたりあたふたするようだと子供もそれを見て基準にするので、大きな影響を受けることになります。

子供の教育というのは直接的な教えだけではなくて、背中で見せるという間接的な教育も非常に重要のです。

ですから妻や夫等がそこを棚に上げて、「何でこの子はこんな情けない子になってしまったのか。あんなに色々教えたのに」等と言っていたら、それは言葉で正論を述べていただけで自分達が実践できてないからだと思ってください。

もちろん子供それぞれに生まれつきの性格や精神性というのもありますし、全部が全部親のせい、というわけではないですが、親の影響が最も大きいのは間違いないので、そこはしっかり自覚しておく必要があると思います。

 

精神的に大人な子供とは

子供であるのにも拘わらず一般的な大人くらい精神的に成熟した、精神的に大人な子供というのがいます。

たとえば、もし逆に友達を庇うような嘘が自然に付ける子であったら、もう将来は安泰と考えて良いでしょう。

なぜ「自然に」という言葉を付けたかと言うと、その裏に

「良い子でいないと自分は価値がない存在になってしまう」

という恐怖心がないことが条件だからです。

恐怖心に駆られて、自分を守るため、あるいは自分が立派に思われたい等の下心からではなく、ただ純粋に人を守りたい・救いたいという心理が根底にあることが重要です。

ただし、この水準は教育だけで培えるものではないので、あくまで理想として、そういう人間に少しでもなってもらうことを考えて子供と接するようにしたら良いのではないかと思います。