いつも明るくてみんなの人気者でいるポジティブ思考な人に対して憧れを抱いている人も多いと思います。

ポジティブ思考になれば、引き寄せ効果が生じて自分の願いが叶うということを言う人もいますね。

ですが単純に明るく振る舞えば良いのかと言えば、そういうわけでもありません。

ここでは、ポジティブ思考の2つの種類と、ポジティブ思考な人の考え方の特徴を紹介していきたいと思います。

 

ポジティブ思考の2つの種類

まず前提として、理解しておかなければならないことがあります。

ポジティブ思考という一つの言葉で、全ての明るい人をひと括りにすることはできません。

同じポジティブ思考でも性質の違いがあるのです。

その性質の根本的な違いの見分け方はあります。

それは範囲の問題で、

自分だけなのか、それとも環境&他者との繋がりがあるのか

です。

これは別に物理的に環境や他者との関わりがあるか、という話ではなく、精神的な繋がりになります。

一言で言えば、自分だけが良くて前向きで明るいのか、それとも他者も尊重して前向きで明るいのかどうかです。

前者の場合、自分自身を客観視する必要もなくなるので、自分の信じたいものを信じて思いたいように思って、その結果としてポジティブでいるという状態です。

こういうポジティブだと全く成長しないので、社会ではまともに適応することができず、馬鹿にされていたり虐められていたりします。

それに対して後者の場合、人との繋がりをしっかりと考えているので、自分が人からよく思われていないところを直そうとしたり、自分のスキルを上げてもっと周囲が助かるようにしたり、他者にとって少しでも有益な人間になろうとします。

後者の方は、ごく普通の生き方に聞こえると思います。

ですが本気で向き合えば向き合うほど精神的な負荷は大きくなりますし、その結果としてポジティブに保つことが難しくなります。

要点としては、自分だけの方が浅いポジティブで、他者との繋がりがある方が深いポジティブであり、こちらが真のポジティブ思考になります。

ここでは一般的にポジティブな人、というのはどんな人かの特徴を挙げていますが、中には深いタイプでないと実行できてないこともあり、引き寄せの能力もそのうちの一つになります。

 

また、無理してポジティブを装っているようであれば、それもまた深いポジティブとは言えません。

深い人ほど自然体でできています。

ですが自分が自然体でポジティブになれないからといって悲観する必要はなく、理由は後述していますが別に無理しなくても良いのです。

 

ポジティブ思考な人の考え方の特徴

後ろ向きでいても無意味

ポジティブ思考な人は、ネガティブな気持ちでいても仕方がないと考えています。

なんでわざわざ暗い気持ちでいないといけないか、という至極単純な理屈です。

どうせ生きるなら限られた人生をより楽しむために、なるべくポジティブな気持ちを抱き、過ごす方が得だという考えです。

また、何か一つのことを気にする時間があるのなら、自分の好きな時間に使いたいと思います。

 

前向きな方が何事もうまく行き易い

ポジティブな思考で常にいれば、迷ったり、気持ちが酷くブレることもありません。

物事をする際に、迷いというのはブレーキとなってしまいます。

自信のなさもブレーキの一つですが、このブレーキがあると勢いが出ないので、何事も上手く行きにくくなるのです。

物事をどんどんこなしていくにはリズムが必要であり、そのリズムを生み出すのがポジティブ思考なのです。

 

明るい方が好かれやすい

ポジティブ思考な人は、小さいことにいつまでもくよくよしている性格より、いつもニコニコと笑顔が素敵な人の方が印象も良いし、みんなにも生きる勇気とパワーを与えられると考えています。

それは事実であり、いつもポジティブな人というのは人から好かれるので、人間関係も円滑になって非常に生き易くなります。

 

結局はなるようにしかならない

どんなに祈っても、こうなって欲しいと感じても、結局はなるようにしかなりません。

人生は自分の力で切り開いていくことが可能ですが、どうしても動かせない出来事も中にはあります。

そこで怒りや悲しみを見せても、自分にはどうすることも出来ないので、見方によっては意味がなかったりします。

本当のポジティブ思考の持ち主は、それをただの考え方(頭)だけではなくて心から理解しています。

そのため口だけでなく、実際に逆境に直面しても慌てふためず、しっかりと現実を受け入れることができるのです。

人生を達観出来る人ですね。

 

何事も当たり前だと考えない

他人と自分を比べて「自分はこんな散々なんだぞ」と落ち込みを見せる人もたくさんいます。

ですがそれは今いる状況が恵まれているからこそ出来ることです。

本当に追い込まれている時、そもそも他人と自分を比較する余裕すらありません。

事実、現代社会は人類史上かつてないほどの繁栄を誇り、豊かな生活を送っているのにも関わらず、自ら命を絶つ人は紛争や飢えで命の危険に直面している人よりも圧倒的に多いです。

人間は命の危機を脱すると別の欲を求め出し、その欲が適わないことにストレスを感じてしまうのです。

恐ろしいことにこれはどこまででも続いて、その新しい欲が適うとやがてそれが当たり前になり、今度はまた新しい欲を求め出します。欲の無限ループです。

しかも、生活が便利になればなるほど肉体的に余裕が生まれるので、ますますネガティブな考えが入り込む余地も増えてしまいます。

その点、本当のポジティブな人は私達が今当たり前になってしまっている便利で豊かな生活にも幸せを感じることができます。

当たり前だと思わずにいられるので、ストレスが溜まらないのです。

また、今自分が幸せであることを実感しているからこそ、明るい気持ちでいられます。

ただし、これは浅いポジティブな人にはなく、深いポジティブな人にある特徴です。

 

嫌な出来事や大きな失敗も人生の勉強と捉える

ポジティブ思考な人は自分にとって嫌な出来事や大きな失敗等のマイナスな出来事も、気持ちが引きずられることもなく「精神的に鍛えられた」「勉強になった」と受け止めることが出来ます。

逆にネガティブな人は

「なんで俺がこんな目に」「本当にろくでもない出来事だった」「時間の無駄だった」「お金をドブに捨てた」

と言った具合に、嫌な出来事や自分の失敗をただの無駄という認識しかしようとしません。

特徴としては、自分の責任を考えずに運の悪さや人の落ち度ばかり責めることです。

ポジティブな人は、たとえそれが事実であっても自分自身の責任の方を見つめるので、その悪い出来事に意味を見出せるし、より成長できるのです。

このように、ポジティブな人は、その一見無駄にしか思えない失敗も発想の転換で、意味のあるものに変えることができるのです。

 

引き寄せの効果は嘘?

ポジティブ思考の引き寄せの効果は本当にあるのかについて、あると言えばあるし、ないと言えばないと言えます。

恐らくここまでの内容から大体の理由は察することができると思いますが、それを分けるのは浅いポジティブか深いポジティブか、どちらなのかです。

例えばポジティブになって、人から好かれたり高く評価されたりすると、自分の知らないところで良い噂が立ちます。その結果、自分に素晴らしいパートナーであったり、仕事の話を紹介してくれる人が現れるようになります。

色んな人が自分と関わりたいと思って誘ってくれるので、その中で自分をステップアップさせる機会を得られ、どんどん人生の中でステージを上げていくことができます。

そうすると気付いたらお金持ちになっていたりして、「金運のある人」と言われるかもしれませんね。

これは普通に理屈的に考えればわかることですが、これが引き寄せの能力に直結することになります。

スピリチュアル的には精神状態が神秘的に良いことを引き寄せるという説もありますが、それは理屈として証明できるところではありません。

ですが自分の行いをよくすることでもっと心に余裕を持つことができるようになり、その結果としてポジティブになり、表情が良くなり・・・という循環は、現実的な理論の範ちゅうになります。

つまり、ただのゴミ拾いであっても引き寄せに繋がる可能性はある、ということです。

 

ちなみに、自分中心の浅いポジティブでは上の循環を起こせる可能性は格段に低くなるので、場合によっては全く起こらないこともあります。

ですから、引き寄せを実現しようと思ったら基本的に深いポジティブでなければなりません。

ポジティブで過ごしてるのに全く良いことがないという人は、一回自分の身の振り方と真剣に向き合ってみた方が良いでしょう。

 

ポジティブ思考の長所・短所とは

上ではポジティブ思考の長所を挙げましたが、では短所はあるのでしょうか。

もちろん上のことが全て完璧にできれば、短所はないと言っても良いかもしれませんが、実際は私達は人間なので、常に完璧ではありません。

つまり、どこかで抜いたり、妥協したり、自分を許すことになるのですが、ポジティブ思考の場合はその水準が低くなるのです。

現実とちゃんと向き合わずに妥協をすれば、自分は楽になるのでその分ポジティブは保ちやすい。

逆にいつも自分や他人等を疑ったり悪い部分に目を向けていたら、ポジティブを保つことは難しくなりますが、その分自分を成長させ、現実を改善しやすくなる、ということです。

ただこれも、深いポジティブを極めると徹底的に自分に厳しくかつポジティブなので、ベストな状態に思われます。

仏教ではこのような精神的な境地は悟りと言われますが、もちろん普通はそこにたどり着くのは不可能であり、浅いポジティブであっても深いポジティブであっても、明らかな程度の差はありますが甘さが出ることがポジティブであることによる短所、弱点と言えます。

 

ただし少し余談になりますが、ネガティブであっても浅い深いがあって、浅いと物事に対して実際以上に悪い見方をしてしまうので、そこはちゃんと理解しておいてください。

自分はネガティブでも良いんだ、ではなく、自分がネガティブな性格ならそれ自体は悪くないとしても、質を高める努力はしなければならないということです。

質を高めるというのは、一つには少しでもポジティブになることです。

すると、ネガティブの長所を残した状態で今よりもポジティブになれるので、ネガティブな性質が逆に強みに変わるのです。

 

まとめ|ポジティブ思考になるコツ

本当の意味でポジティブ思考な人というのは、しっかりと現実と向き合いながら自然体であり、心の中でしっかりとしたビジョンを描いています。

逆に中途半端なポジティブ思考(浅いタイプ)の方は、ここで挙げた考え方のうちのどれか複数が欠落してしまっているために、意外と精神的に脆かったりします。

ただし、ここで挙げたポジティブ思考の心理と考え方を完璧に会得するのは不可能です。

ほぼ悟りの域と言っても良い話にもなってきますからね。

一般的な正しい形でポジティブな人(深いタイプの人)も、大体できている程度です。

ですから、あなたは今あなたに受け入れられるポジティブな考え方を参考にして、取り入れてみて下さい。それだけでも、だいぶ変わると思いますよ。

ちなみに、浅いタイプと深いタイプそれぞれのポジティブな人の見極めどころは、意識の範囲の問題と、「自然体でできているか」という辺りになります。

 

あともう一つ忘れてはならないのは、考え方を頭ではなく心に取り込まなければならないということです。

頭で理解しているだけでは、どうしても無理をしている状態になります。

ではどうしたら良いかというと、一つとしては考え方でポジティブ思考がいかにメリットのあるものかを理解すれば、自然と心も理解していきます。

しかし心は簡単にその理屈を理解しようとしないので、根気が必要になります。

それでもどうしてもポジティブになれない、という人はもともとポジティブ向きな性格ではないと思われますが、だからといって駄目というわけでは全くありません。

今より少しでもポジティブになることができれば自分のネガティブな面がアドバンテージに変わるので、そういう意識でいると良いです。