いつも正論を言う人というのは、一見するとまともで信用できる人に感じられるかも知れませんが、意外と周囲からは好かれていなかったりします。

特にことあるごとに正論ばかりを言う、正論を振りかざす人というのはむしろ煙たがられたり、かなり敬遠されたり、喧嘩が絶えなかったりします。

それでは、正論を振りかざす人の心理と性格はどういうものか。また、上手く付き合っていく為の対処法はあるのでしょうか。

 

正論を言う・振りかざす人の心理と性格の特徴

実際、正論というくらいなので正しい論理ではあるのですが、どうしても正しくできないことはあります。人間は完璧ではありませんからね。

正論ばかりを言って正論を振りかざす人の心理に共通して言えるのは、正しい意見を盾にして人のできてない部分を徹底的に付け込んでくることです。

自分はあくまで正しいことを言っているわけですから、反撃の喰らいようがありませんからね。

 

弱い自分を隠している

自身の弱いところを隠す為に虚勢を張っている心理です。

正しい意見を盾に、皆の意識を上手く逸らしているのです。

コンプレックスを抱きやすく、他人を羨ましいと感じる面もあります。

自信満々に言葉を出せば、頼もしい。面白いと感じてもらいやすいので正論を振りかざしているのです。会話の主導権も握りやすく、自分の不得意な話題には向かわないように操作している一面も。

 

人に馬鹿にされることが苦手

人に弱い部分を突っ込まれたり、見下されることを酷く嫌う性格・心理です。

気にしやすい面を持っていて、近くで笑い声がするだけで自分のことだろうと思い込みます。馬鹿にされるくらいなら、正論を通じて相手にマウントを取っておこうと考えることも少なくはありません。

予防線を張っているのです。

そのため同じように正論を振りかざされると、逆上してしまうケースも多く見られます。

 

自分に酔っている

論破して、相手を追い込む自分に自画自賛とも取れる感情を抱くなど、気持ち良さを感じている心理です。

後でその場面を思い返しては、ニヤニヤと緩んだ表情を作るのです。

あくまで相手のためではなく、自分の快感のために正論を振りかざしているので、ターゲットにされた人物はたまったものではありません。

このような人は周りの人から、真意に気がつかれている場合が多いので注意が必要です。快感が薄くなると同じことを繰り返すなど、エスカレートしていくのも特徴です。

 

元気を奪いたい

正論を言われると、あなたは自分の駄目なところと向き合わざるを得なくなります。

そのとき、

自分って駄目だな」「情けない人間だ」

等という気持ちになると、ネガティブな気分になって元気もなくなってしまいますよね。

実は正論を必要以上に連発する人というのは、このような「元気を奪ってやろう」という心理もあるのです。

要は、虐めたいという気持ちですね。

正論は言い返しようがないところもあるので、相手を攻撃するのに打って付けの手段なのです。

 

一目置かれた存在になりたい

正論を振りかざす人は、目立ちたい・こっちを見てもらいたいという自己顕示欲が高い傾向があります。

普段通りの自分ではその他大勢としか見てもらえないので、何か変わったことをしようとたどり着いた先が正論です。日本人であれば本音と建前を上手に使い分けては、相手の顔色を伺う人も多いです。

ストレートに発言する方は異色の存在として見られるので、結果的に視線を独り占めに出来ます。

 

主人公が活躍する物語が好き

漫画や映画など物語が好き、それも主人公が活躍する無双もののストーリーを好んでいます。

話の中で主人公が誰かに対して説教したり、みんなが同意してくれるであろう言葉を告げて、話は終盤に向かう様を憧れの目で見ているのです。

自分のそんな存在になれたらと感じているからこそ、このような行動を行います。拗らせてしまえばしまうほど、正論を強く相手に言い放ち、物語の主人公とはかけ離れてしまうのです。

 

厳しく育てられたので甘い人が好きではない

のほほんとしている人が受け入れられず、きっちりした行動を相手にも望んでいます。

このような方は親に厳しく育てられた方に多く、自由主義なところが羨ましいと思う反面、曲がった行動を許せない現れでもあります。

なので受け手としては厳しい人という印象を持つことが多いです。自分の価値観が変わらない限り、この行いは止めないでしょう。

 

 

正論を言う・振りかざす人の対処法

正論を振りかざす人というのはそれなりに実力がある人が多いです。

なぜなら、正論を言った人間が全くできてなければ説得力を持たないからです。それでは、逆に正論で言い返されてしまいますよね。

ですから、正論で返され兼ねないポイントについては、大概抑えているでしょう。

逆に、口ばっかりの正論者であれば懲らしめるのは容易いです。

 

間に受けず軽く流す

そのままの意味で捉えてしまえば、傷つきやすい人は酷く落ち込みます。

「そういう人なんだ」と相手の性質を理解した上で軽く流すように努めましょう。

いくら正論といえども、全ての言葉が正しいものとは限りません。

最後に決めるのは自分であり、他者の言葉にいちいち挫けてしまうようでは、残りの人生が勿体無いです。アドバイス程度に受け止め、三歩歩いたら忘れるようにしましょう。

 

その上をいく正論を振りかざす

正論を論破するように、高度な返しを相手に叩きつけます。

そうすることで悔しがり、あなたに対して手出しは出来ないようになるでしょう。

ただし、これは相手が口ばっかりで無能な人であった場合や、自分の立場を左右するような権力者でない場合に限ります。

有能な相手は正論の範囲はしっかり抑えてきますし、権力者は気に入らなければあなたを潰そうとするからです。

また、その時の論破が気持ちよかったからといって他の人にも言って回るようではその方と一緒という括りにされます。

必要な時にだけ行い、後は温和に接するようにしましょう。

 

優しい対応を心がける

「だから何ですか?」「話に入って来ないで」というように相手を突き返した態度を取るようでは、逆上させてしまいます。

ニコニコと表情を変えず、その時だけ女優、俳優になったつもりでいましょう。

逆に悲しんだ表情でいるようでは「もっといじめてやろう」と興味をそそることになります。

心理の項で挙げたように、正論ばかりを言う人というのは正論を盾にしてあなたの元気を奪いたいという気持ちもあります。

ですから、

・相手に好かれるような態度

・全く気にしていない態度

というのが、正論者に標的にされないための二つの非常に重要なポイントとなります。

 

弱い部分を見つける

相手の弱点を見つけて、口に出して言います。

いくら正論者が弱みを見せないとはいえ、探せばほぼ見つかります。

そうすることで、相手はあなたに正論を振りかざすのはリスクが伴うと判断し、それをやめるでしょう。

ですが普通に喧嘩どころか全面戦争にまで発展する可能性があることは、留意しておいてください。

また、たとえうまく相手の戦意を削ぐことができても、弱みを悪用して追い詰めたり、精神的に参らせることは避けるようにしてください。それでは相手と程度が変わらなくなってしまいます。

 

認めてあげる

長所を見つけ出しては、媚びない程度に褒めてあげるようにします。

そうすることで、認められたと感じるので悪い気はせず、今度から柔らかい態度で接するようになります。

 

誰だって褒められると嬉しい気持ちが芽生えるもので、相手の印象も伴ってよく映るのです。

特に誰でも知っているような部分ではなく、さり気ない箇所であればあるほど嬉しさも倍増します。

ただし基本的には振りかざしてくる正論の内容についても褒めたいところですが、これを褒めてしまうと実際に実行しないといけなくなるので、そこは少し難しかったりします。

それでも「参考になった」「確かに自分はそうしなきゃいけない」と思えた際は、必ずお礼を言うようにしましょう。

 

まとめ

正論自体は正しいとはいえ、いつも正論を求められても困ります。

言っている本人でも完璧にはできないのですから、あなたも言われたからと言っていちいち気にする必要はありません。

そもそも正論を必要以上に振りかざす人というのは、相手のためではなく自分のためにやっています。

 

ですから、あくまで参考程度に聞き流すのと同時に、たとえ自分が本当にできていなかったとしても「これからできるようにする」という前向きな気持ちを持ってください。

前向きな気持ちではなく沈んだ気持ちになってしまえば、できるものもできなくなってしまいますからね。

また、正論を振りかざす人ともいくつかの点に気をつければ、円滑に関係を築くことが出来ます。

どうしても一緒にやっていかないといけない相手なのであれば、うまくやっていく道を模索してみてください。