自分で言ったことを守らず、ピンチになったらとにかく自分を守ることを第一に考えてトンズラしてしまう、バックレる人。

そんな人として大いに問題のあるタイプのバックレる人の理由、つまりそのバックレ行為の背景にある心理的な特徴はどのようなことが挙げられるのでしょうか。

また、バイトや会社で先輩や上司、あるいは後輩や部下がばっくれる人の場合、どのような対処法を取ることが適切なのでしょうか。

 

ばっくれるの意味とは

その前にばっくれるの意味について、あまりよくわからないという人もいると思うのでおさらいをしておきたいと思います。

「ばっくれる」は「しらばくれる」の略なのですが、俗語なのでしらばくれると全く同じニュアンス、というわけではなかったりします。

ネット上にある日本語俗語辞書というサイトには、あり、大きく2の意味を挙げられています。

[1] ばっくれるとは「とぼける」「白を切る」「しらんふり」といった意味で、主にヤクザや盗人、不良の間で使われる言葉である。

[2] ばっくれるは[1]の意味から転じ、「逃げる」といった意味でも使われるようになる。更にそこから「学校を無断で早退する(サボる)」といった意味で若者に使われた言葉である。

参考:日本語俗語辞書より

1については、「しらばくれる」とほぼ同じ意味と考えて大丈夫です。

2については、学校をサボったり、バイトや会社に急に来なくなったりする意味が強調されています。

またそれぞれの認識としては、ざっくりと年配の世代は1、比較的若い世代は2といった棲み分けをすることができます。そのため、会話の中で使用するとジェネレーションギャップを感じることもあります。

 

バックレる人の特徴と心理

自分に甘い傾向がある

一言で言えば自分大好き。甘い傾向が伺えます。

責任感がなく自分の気持ちを常に優先させる為、行動に一貫性がありません。

また、自分は許される存在だという根拠のない自信を抱いていることも。

そもそも人と予定を合わせたり、約束を守ること自体を重要なことと思っていないのです。

我慢することや苦に感じることは出来るだけしたくない、それらから逃れることを常に意識している部分も持ち合わせています。

 

自分がいなくても何とかなると感じている

自分が重要な存在でないと自負しており、その結果ばっくれてしまうのです。

居てもいなくてもどっちでもいいだろうと自己完結する癖があります。

自分に自信がなく、自虐的な心理からこのような思考に染まってしまいます。

本音として「本当は必要とされたい」「もっと求められたい」という気持ちが芽生えている部分もありますが、口に出さなければ相手に伝わることもありません。

周りの人は真意を読み取ることがなく「責任感のないやつ」と一括りにしてしまいます。

 

相手のことを見下している

相手のことを見下しているからバックレる人もいます。

「ばっくれてもこの人なら怒らなそう」と、人を見て選んでやっているのです。

このような方はメリットを感じる相手には忠実に動くので、ずる賢い部分があります。

ころっと変わりやすい性質も持ち、相手が自分にとって重要な人になれば、今までのばっくれ具合からは想像出来ないほど、しっかりした態度でいるようになるでしょう。

世渡り上手、でも一部の人にはどうしても反感を買いやすいです。

 

そもそも予定を管理するのが苦手、下手

自分でした約束を覚えておくことが出来ず、スケジュール等も管理するのが下手な人です。

悪気は一切なく、後で直に注意された際に気がつくこともしばしばでしょう。様々な注文を一気に受けたり、テンパるほど管理もおざなりになってしまいます。

 

周りにいる人も同じ資質を持っていた

今までの人生の中で、自分と同じような資質の方と関わる機会が多かったために、自然とそれが当たり前になってしまった人です。

時間にルーズ、約束は平気で破る。怠かったら学校、会社に行かないのは当たり前。

という方々の側にいれば、感覚も狂ってしまいます。

また、それが当たり前だと信じてやまないので、自分も同じことを平気で繰り返してしまうのです。周りにいる人とは、仲の良い友達、親族、親なども含まれています。

ですから、これは心理というより考え方の問題になります。

 

精神的にまだ子供

この心理が理由でばっくれる人は、話す内容も年齢の割に何処か子供っぽいと感じます。

年相応の責任感が担っていないので、平気でサボったり、ばっくれてしまうのです。

このような方は今までの人生、あまり人と関わる機会が少なかったりします。

また「親に何でもやってもらえた」というように、受動的でも快適に生きることができた方です。

ただし、こういう方は本人にその気があれば、経験を積むことが改善することができます。

 

ばっくれる人の会社やバイトでの対処法【先輩・上司】

責任感についてやんわり伝える

ストレートに「バックレないでくれませんか」と伝えるようでは、偉そうに受け取られてしまうことでしょう。

やんわりと、また会話の流れから自然に責任感について話を行い、また困っているということをオブラートに包んで話すようにします。

そうすれば相手に嫌な気持ちを与えずに、自身を振り返ってもらうことが可能です。

言いにくい場合は信頼している上司に相談に、そこで伝えてもらうように善処しましょう。

 

可哀想な人だと考える

ムキになって相手のペースに飲み込まれてしまうようではいけません。

そういう人。可哀想と受け取り、いつも冷静でいられるようにしましょう。

期待すればするほど、裏切られた時感情が高ぶってしまうので、冷静な判断は常に必要です。

また、周りはどのような反応を感じているのか、さり気なく聞き回り、自分と同じであれば「やっぱり」というように納得しましょう。

 

別な上司の名前を出して、素晴らしい部分を語る

嫌味と捉えられてしまうリスクもありますが、別の信頼している先輩の名前を出し「素敵」「凄い」というように絶賛の声を浴びせるようにします。

比べられると人はやる気を見出し、もっと頑張ろうという意欲が湧き出やすいです。またその噂も本人の耳に入れば、嬉しいというように、嫌な顔をされません。

注意点として、いろんな上司の名前を出して素晴らしさを語っても、人によっては媚びているように映るので気をつけましょう。

 

反面教師にする

これは本人に対してではなくむしろ自分に対しての対処法になりますが、「自分はああはならない」というように、反面教師にして、自身の行動を振り返る機会に繋げます。

そうすれば普段の業務にも力が入りますし、約束事も、よりきちんと守るようになります。

先輩や上司がばっくれる人だと、少し油断すると自分もばっくれを当たり前だと思い始めてしまうので、こういった心構えは非常に重要です。

ですが、もちろん反面教師にしているということは、本人の耳に入らないように他言しないことが条件です。

 

馬鹿にした態度を取らない

バツが悪くなるとすぐばっくれるかっこ悪い先輩や上司を見ながら、「こんな人にはなりたくない」と日々感じていると、無意識のうちに態度にも現れるようになります。

感情的になりやすい人であれば反感を買って逆上されてしまうので、態度には出さないように気をつけましょう。

他の先輩と同じように接し、親しくなりすぎないようにある程度距離を置きます。

普段の行動を意識し、話す言葉一つ一つにも注意します。

また、普段の愚痴を他の社員に漏らせば、最悪の場合本人の耳に入ることもあるので、迂闊に口に出さないよう徹底しましょう。

 

バックレる人の会社やバイトでの対処法【後輩・部下】

示しを見せる

まずは自分がお手本に出来ていないと意味がありません。

きちんとしているつもりでも、所々手を抜いたり、ダラけた態度が多ければ、自然と真似をされてしまうでしょう。

良い先輩でいること。常に誰かに見られているという感覚を忘れないようにします。

「憧れの人」「尊敬できる」と認識してもらえば、徐々に行動を正してくれます。

同じ立場の会社仲間に、自分がどう見えているか。さり気なく聞く方法も自己を知る機会となり、分かりやすいです。

 

何かあったのかと親身になる

ばっくれる(急に来なくなる)人は何か問題を抱えていたり、ただならぬ事情を持っている場合もあります。

頭ごなしに叱るのではなく「大丈夫か?」「力になれることがあったら言って欲しい」というように味方であることを伝えましょう。

親身になれば心を許した瞬間、悩みを話してくれるようになりますし、部下の抱えている胸の内も、同時に知ることが出来ます。

ただし一度ばっくれた時点ですでにその環境にはかなり居づらくなるので、たとえしっかりとフォローしてもすでに時遅しのケースがあることは承知しておいてください。

 

責任感をしっかり教える

新人、特に高校生のバイトの場合は働くことの責任をまだ理解していないケースが多々あるので、勝手に休むのがどれだけ問題行為なのかということを率直に伝えます。

その上で必要な人材であるということをしっかり伝えたり、その後輩や部下の良い部分を重点的に挙げて、責める雰囲気は作らないようにします。

自分は必要不可欠な存在。ということを意識すれば、ばっくれることもなくなるでしょう。

放ったらかしにするなど、おざなりな態度を日々取られているようでは、無意味な存在だと思い込みやすいです。目をかけてあげることも忘れないようにしましょう。

 

飴と鞭を上手に使い分ける

叱られてばかりでは、誰でも嫌気が指してしまいます。飴と鞭を上手に使い分けるように、半々になるより、少し飴の方を多くするくらいが丁度良いです。

働くことは楽しい。やり甲斐がある。と思わせることで、普段の行動にもメリハリが付くようになります。

また、鞭の後に飴を与える方が心も折れにくいので、良いなと感じるものは終盤に行いましょう。

鞭で叩いて終わりでは後味が悪いので、嫌な印象が強く残ってしまいます。

サボられた場合、きちんと叱り。その後に「ラーメン食べに行こう」というように、何処かに連れ出してあげると落ち込ませることもないです。

 

まとめ

バックレ癖は、社会人として大問題と言っても過言ではない行為です。

そんな行為を定期的にするようでは、社会的信用を得られるはずもありません。

とはいえ、バックレはする人のみならず、される側(先輩や上司)にも必ず問題はあります。

「ばっくれるなんて人としてどうしようもない奴だ」

と責任を丸投げするのではなく、自分自身が後輩や部下にプレッシャーを掛け過ぎていなかったか、厳しくし過ぎてしていなかったかについてしっかり反省するようにしてください。

特に会社そのものからばっくれる(無断欠勤する)というのは、よほど追い込まれていなかったらしない行為です。もし辞められては困るのであれば、そうならないように普段からしっかり部下に気を遣い、支えとなってやることが大切です。