何か問題に直面したり自分に都合の悪いことが起こると、まず自分以外の誰かのせいだと考えようとする人がいます。

このタイプの人は、たとえ他人から見たら明らかに本人に責任があるように感じられても、本人はそうとは考えようとせず、自分ではなく他人が悪い理屈を考えます。

こういった人が周囲にいて、腹を立てたり頭を悩ませたりしている人は多いのではないでしょうか。

また、自分自身がそうかも知れないと自覚しているけれども、悪いのはわかっていてもどうしたら良いのかわからない、という人もいるでしょう。

そんなすぐ人のせいにする人の心理と夫・職場の人の対応法、そんな自分の改善法に迫っていきますのでぜひご参考ください。

 

すぐ人のせいにする人の心理の特徴

他者に愛着を持たない

「他人はどうでも良い」という心理から、すぐ人のせいにするタイプです。

この心理が強い人は自分への愛の方が、他人への愛よりも強いのが特徴です。

原因としては、過去に親等から大変傷付けられた等の理由から、深層心理において人に対して無条件に敵意を抱くようになった、等が挙げられます。

あるいは、特定の相手に対して何らかの嫌悪感を抱いている場合、その相手限定でいつも強引に責任を押し付けるような行為をする傾向が見られます。※ただしこれは必ずしも相手が嫌いであるとは限りません。

 

自分を守りたい

責められることから逃れたい・自分を守りたいという心理から、すぐ人のせいにするタイプです。責任を咎められると過度に傷付いてしまうために、その代わりに人を責めるのです。

過度に傷付いてしまう主な心理的な理由としては、自分に対しての自信のなさが挙げられます。

自分に自信がないために、責められると「やっぱり自分は駄目なんだ」とものすごくネガティブな気持ちなり、しかもますます自信を失ってしまいます。

また、過去の体験等から責められることに対してのトラウマがある場合も反射的に出てしまうこともあります。

 

プライドが高過ぎる

これは広い枠組みでは自分を守りたい心理に含まれますが、自分が他人からどう見られているかばかり気にしていてプライドが高過ぎる人は、すぐに人のせいにしがちです。

人から責められるということは自分の至らなさの証明であり、そんな自分の姿は恥ずかしいという考えが根底にあります。

そのため、責められることに対して過剰に恐れてしまうのです。

 

得だという価値観

すぐ人のせいにする人の中には、何でも人のせいにしておいた方が得だという心理が強い人もいます。

このタイプの人は思慮が浅いために、とにかく責任は自分よりも他人に背負わせた方が自分にとって良いことだいう考えを持っているのです。

何でも人にせいにすれば周囲からは嫌われますし自分もなかなか成長しないので、短期的には楽で得なように感じられても長い目で見れば全く得をせず、孤立したり無能で精神年齢が幼いと影で馬鹿にされているような悲劇的な末路を迎えることが見込まれるのですが、それがわかっていません。

もちろん、もともと親の資産等でお金があったり秀でた才能があって、それに依存しきって人生乗り切れると考えているなら多少わかりますが、たとえその場合であっても影で悪口を言われ続けることは間違いないでしょう。

 

すぐ人のせいにする夫の対応法

そういう癖があると伝える

当然ながらすぐ人のせいにする人というのは理屈で言えばかなり強引なところがあるので、別に口で言い負かすことはそれほど難しくないでしょう。

しかしながら、それだけと相手の逆ギレを買ったりして喧嘩になり、結局は関係が悪化してしまう可能性が高いです。

ですから言い負かす気持ちではなく、夫に何でも人のせいにしがちな癖(性質)があるということを理解してもらうという目的でもって正しい理屈で伝えます。

夫がすでにその癖にはっきりと気付いていない場合、もしくは気付いても治す気がある場合は、この方法である程度改善する見込みがあります。

しかしながら、逆にすでに気付いている場合、理由としては「妻が気に入らない」という心理が働いていることが考えられます。

妻が気に入らないからこそ、嫌がらせの気持ちで何でも相手のせいにしたいと考えるので、そのケースにおいてはこの方法では効果がないのです。

 

普段から敬意と思いやりを持って接する

夫が何でも妻のせいにばかりする場合、深層心理に不公平感を感じていることが多いです。

たとえば仕事で本当に大変な苦労をしていると、帰ってきたときに妻の元気で幸せそうな姿を見ると「何で俺ばかりがこんな目に合わなければならなければならないんだ」という気持ちになる人がいます。

「夫婦は分かち合うもの」という価値観が根底にあると、不公平な状況に対して敏感になってしまうのです。

その上でいちいち細かいことを指摘したり要求していれば、夫の不満はさらに募ります。

恐らく、思い当たる節がある方は多いのではないでしょうか。

なのでその辺りをしっかりと察して、もっと敬意と思いやりを持って接することで状況は変わります。

自分が人のせいにする癖があると気付いているケースでも、改善がより促進されるので、この敬意と思いやりを意識するというのは決して忘れないようにしてください。

具体的には、感謝の言葉をよく述べるようにしたり、嫌味を言わないようにしたり、いつも一生懸命働いてくれていることに対して労いの言葉を掛けるようにしたりです。

腹が立つことがあっても、もちろん我慢です。

ちなみにこの「夫婦は分かち合うもの」という価値観自体は誰でも大なり小なり持っていると思いますし、間違いではありません。

いくら夫が妻や家族の幸せのために働いているとは言っても奴隷ではありません。ですから、ちゃんと夫も幸せになってもらうという気持ちを妻や家族は持っていないと絶対に駄目なのです。

出来る限り「幸せも苦労も分かち合う」という気持ちを常に持つようにしましょう。

 

すぐ人のせいにする職場の人の対応法

好かれるように努力する

もともとすぐ人のせいにする性質の人であってもそうでなくとも、嫌いな相手に対してより相手に責任を押し付けようとするのは共通です。

ですから、相手に好かれることが一つの最重要ポイントになります。

そのために上で挙げた敬意と思いやりは相手が誰であっても通用する対処法なので、基本手段としてください。

 

責任を押し付けにくい相手だと思わせる

「この人のせいだ」と思ってもそう言い難い相手っていますよね。

たとえばキレるとものすごい迫力のある人に対して、なかなか「あなたのせいだ!」とは言い難いはずです。

つまり何でも人のせいにする人でもちゃんと人を選んでいるので、自分が舐められないようにすることも非常に大切なのです。

そのために周りから認められたり、地位を付けることは一番健全な手段になりますが、「怖い人」と思わせるのも、キャラ的に無理がなければありでしょう。ただしチンピラのように強引な人になってしまうと信用を失う等の別の問題が出てくるので気を付けて下さい。

 

すぐ人のせいにする自分の改善法

デメリットが大き過ぎると深い部分で理解をする

何でも人のせいにすることはとにかくカッコ悪い、行う度に周囲の印象が落ちる行為であるとしっかり把握することです。

確かに自分で直したいと思っている人はすでにその行為のデメリットの大きさに気付いているでしょうが、それは頭における理屈としての理解であり、深層心理はそう考えていません。

だからこそ、反射的に人のせいにしたい衝動が顔を出してしまうのです。

深層心理に対してデメリットを理解させるには、何度も何度も思い出したり自分に言い聞かせる必要があります。

地道な作業にはなりますが、根が深い場合はどうしても必要になってくるので長期戦を覚悟して戦ってください。諦めなければ、いつか必ず変化が見られるようになってきます。

 

自尊心を育む

すぐに人のせいにする人は、上で挙げたように自分が責任を被ることに対して過度の恐怖を感じている人が非常に多いです。その共通の理由は、自尊心が不足しているからです。

自信がないというのもプライドが高過ぎるというのも、結局は元を辿れば自尊心不足が原因です。

十分な自尊心があれば、たとえ自分の至らなさが故に上手く行かなかったとしても、非を認めたことで人から責められたしても、精神的に挫けたり異常なほど落ち込んでしまうことなく前向きに向き合い「次はもっとこうしよう」と考えることが可能です。

 

では自尊心はどうしたら育めるかと言うと、一つには人の失敗を許すことです。

自分が責任を被ることの恐怖から人のせいにしてしまう人は、人の失敗に対してやたらと腹を立ててしまうので、まずは人の失敗というものに対して許し、受け入れられるようになるというのが本当に重要なのです。

その際に、人のした失敗がどれくらい問題なのかをよく考えましょう。

別に大勢に影響なかったり、あっても周りがフォローすればすぐに元に戻ることであれば目くじら立てて怒る必要など全くありません。

恐怖からすぐ人のせいにする人は取るに足らないことにやたらと拘る性質があるので、改めて考えてみると「確かにこれ別に大事ではないな」と気付きます。そしてその気付きが、人の失敗を受け入れられる心に繋がるのです。

ただし、取り返しの付かない失敗を恐れるのは間違いではありません。

あくまで、みんなでフォローして立て直せる程度の失敗に対して神経質になることをやめることが大切なのです。

 

まとめ

すぐに人のせいにする人の心理の特徴としては、他者に愛着を持たない・自分を守りたいという気持ちが強い・プライドが高過ぎる・そうすることが得だと考えている(価値観)等が挙げられます。

すぐに人のせいにする人の対応法としては、共通して言えるのは相手になるべく好かれることです。

ですからできる限り敬意と思いやりを持って接すると、相手はあなたに対して良い感情を持つようになり、あまり責任を強引に押し付けたりしてこなくなります。

もちろんそれでも完全になくなるとまではいきませんが、その際は罪悪感を感じたりして嫌われている場合とは全く態度が違ってくるので、必ず基本手段として考えるようにしてください。

夫に対してであれば嫌味等、会話の中で言い方が相手の癇に障りそうなところはないか、じっくり振り返ってみることが大切です。

職場の人に対してであれば、高圧的な人物になれば相手の態度は変わりますが、自分のもともとの人格的なところも考慮して無理の範囲で意識するようにしてください。手っ取り早いのは地位を手にすることです。

すぐ人のせいにしてしまう自分の改善法としては、自尊心を育むこと・デメリットの大きさを自分の心の深いところに理解させることがベースになります。

この二つをしっかりと抑えることができれば、どこか別の部分に歪が生じるような付け焼き刃的な解決ではない、根本的な解決に結び付くでしょう。