他人に厳しいのは一つの考え方としてまだ理解できるにしても、にも関わらず何故か自分に対しては甘い人がいます。

このような行動は明らかに矛盾しているように思えるのですが、なぜこうなってしまうのでしょうか。

というわけで本記事では、他人に厳しいが自分に甘い人の心理的な原因と治す方法について取り上げていきます。

 

心理的な原因

自分が一番可愛い

世界で一番自分が好きであり可愛いと感じているので、自分に甘くなる。相対的に他人は二の次の存在になるので、周りに対する対応が厳しくなるという心理です。

その結果、自分以上に好きだと感じる人がおらず、誰かの為に犠牲になろうと考える訳もありません。

しかしこのような人は本当に好きな人を見つけた時、変わるチャンスも同時に手に入れることが出来ます。

 

向上心がない

自分に甘い人は、上へ行こうという気持ちがあまりなく、現状に満足しやすい心理及び性格になります。

自分に厳しくならなければ人は成長しないので、今いる地点から上にいくことは難しいからです。

「自分に厳しくして辛い思いをするくらいなら、このままでもいい」という情けない潜在意識から、自分に甘くなります。そしてその情けない自分に内心不満を感じているため、それを他人に当たってしまうのです。

自分がやらない分、他人が何とかしてくれるだろうという未熟な気持ちも隠されています。

 

自分以外の人間がそもそも苦手

人と関わることが苦手。過去に人間関係であまりいい経験をしたことがない。

自分以外の人は敵だという認識があるゆえ、厳しく当たってしまうという心理です。

ですから、自分に対しての甘さというより、他人に対しての疑心が故にそうなってしまっているタイプです。

優しくしたいと感じる瞬間もあるのですが、どうしても過去の体験等が勝り、自分では歯止めが効きません。

また、他人に甘い自分がなかなかイメージ出来なかったりもするでしょう。怖そうに思われることもありますが、不器用な一面も秘めている方です。

 

それが正しいと思っている

他人に厳しく自分に甘くすることが正しいと思っているタイプです。

例えばもし自分の親が他人に厳しく自分に甘く振る舞っていたら、無意識のうちにそれが当たり前だと思うようになり、自分も同じように振る舞うようになります。

通常は周りを見ながら、あるいは誰かに指摘されてその行動はおかしいと気づくのですが、中にはそれを自分の人生哲学の一つとしてしまう人がいます。

明らかにおかしい考え方なのですが、例えば宗教等でも極端な信仰をしてしまうことでまともに思考することができなくなり、犯罪行為すら正当化するようになったりするように、哲学化することは不可能ではないのです。

 

精神がまだ子供

歳と精神年齢が見合っていない方です。一年経つごとに年齢は増えていきますが、精神年齢は見える形で成長することはありません。

また、人生において必要な経験をあまりして来なかったことも挙げられます。

精神年齢を実年齢近くに引き上げ、様々な経験を送ることで自然と治っていきます。また、我慢ができない人でもありますので、自覚することが良い方向へ進むための第一歩です。

 

感情の突起が激しく情緒不安定

悲しんだかと思えば、嬉しそうに笑うなど感情が安定していない心理です。

また、怒るときは怒る。と言ったようにとことん感情に支配されてしまいます。

人間の感情は基本的に自分に甘く他人には厳しい反応をするので、感情任せにしていたら我が儘放題になってしまうのです。

このような方は他人を振り回しやすく、一緒にいると疲れるという印象を与えがちです。

自己愛が強く、惨めな思いをさせられるようなら、今まで以上に相手を追い込みます。他人が自分よりでしゃばるのが面白くありません。気分屋、ころっと言うことも変わるなどの特徴も持っています。

 

治す方法

自分に甘い・他人に厳しいところを自覚しながら、治し方がわからないという人は多いです。

基本的には、まず自分が上に挙げたどの心理タイプに当たるかを考えてみて、以下で挙げる対処法を実践してみて頂けたらと思います。

自覚して治したいと思っている時点で、確実に見込みがあるので自分を信じて努力をしてみてください。

 

第三者目線になって考えてみる

自分本位で物事も考えず、相手の気持ち、客観的に見渡してみるのがポイントです。

そうすることで冷静な気持ちを手に入れることが出来ますし、分かることもたくさんあります。

その後、こうした方が良い。というように自分でベストな選択を見つけ出せるようになるでしょう。

自分目線でしか物事を見ていないのなら、狭い世界のみで何事も完結します。また、物事以外にも他人の気持ちを司ってあげることも大切です。

 

厳しくなりそうになったら自分でストップをかける

感情的になりそうになったら、自分でストップをかけられるように訓練を行いましょう。

最初は上手くいかないこともあるかと思いますが、何度か繰り返すうちに染み渡っていきます。

また、ストップをかけられたら自分で自分を褒めるというように、肯定してあげましょう。

そうすることで他人に対して寛容な気持ちを持つことが出来ますし、人間的にも成長することが可能です。

ストップをかける時は「ダメ」「終わりにしよう」と心の中で言葉を作り、自分に投げかける方法がオススメです。

 

人をもっと好きになる

他人を自分以上に好きになれるように努力することです。

好きになるには短所ばかり目についてしまうようではいけません。

良い部分を率先的に探し、また、それを相手に伝えるように言葉に出してあげる方法が効果的です。

人を好きになることで他人に対して優しく接することが出来ます。

また、優しくされると鏡のように返してあげたくなるのが人の性ですので、その行為がそのまま自分に返ってきます。良い循環に入るので、今まで以上に心も豊かに育つでしょう。

 

自分がされて嫌なことを羅列する

人からされて嫌だと感じることを羅列していきます。

また、その中で自分が実際にしたことがあるものが入っているかも一緒に、考えていくようにします。

羅列することで、こんなことが嫌だったんだ。と改めて気がつくことが出来ますし、他人に対して行わないようにしようと戒めにもなるでしょう。

心の中で考える方法も良いですが、可能な限り紙とペンを用意して書き上げる方法が良いです。

見返すことが出来ますし、日々の生活と当てはめて比べることが可能です。

また、想像の中で大丈夫ですので、自分が実際にされる場面を考えてみましょう。嫌な気持ちになることがほとんどだと思いますので、その時の気持ちをいつまでも忘れないように慎むようにしましょう。

 

まとめ

他人に厳しく、自分に甘いことは決して良いことではありません。

もちろん人間ですから自分の方が他人に対してより甘くても良いのですが、他人から見てはっきりとその差を感じるのであれば、それは治した方が良い特徴と言えます。

特に自分に対しての不満を人に代わりにぶつけるというのは、言語道断です。

また、コミュニケーションの面で言えば他人に寛容になることで、良い先輩、親しみやすいと相手に感じさせることが出来ますし、印象も良いものに映ります。

自分にも同じような行動が返ってくるので、関係もより良いものへと変化していきます。

ですから、自分に厳しくなれとは言いませんが、他人に寛容になった方が今まで以上に立場も安定したものに感じるでしょう。